【概要】
Qualcomm(クアルコム)とは携帯電話機を始めとする移動体通信の通信技術ならびに半導体の設計・開発をおこなう、1985年にアメリカ合衆国で設立された企業です。
QualcommのW-CDMA・LTEの無線通信チップやスマートフォン向けのCPU(モバイルプロセッサ)【ブランド名はSnapdragon(スナップドラゴン)】を搭載している携帯電話機が多数あります。
■本社所在地
5775 Morehouse Dr, San Diego, CA United States
■日本本社
〒160-0004
東京都港区南青山1丁目1-1 新青山ビル
【Qualcommの主要製品】
■KDDIとQualcomm
CDMA方式の携帯電話はほぼ独占に近い市場占有率を保持しています。
日本においてもauから発売されたau 3G対応機種にはQualcommのロゴマークが入っています。
また、au 3G対応機種のフューチャーフォン(ガラケー)には発売メーカーを問わず、KDDIとQualcommが共同で開発したOS(オペレーションシステム)である「KCP+/KCP3.x」が搭載されていました。
これは高性能化する携帯電話の開発コストの削減並びにメンテナンス性・メーカー独自機能の開発強化を目的としていました。
また、EZアプリと呼ばれるフューチャーフォン向けアプリケーションのプラットフォームとしてBREW(ブリュー)を提供しています。
なお、KCPを搭載する携帯電話の新規発売は停止しており、シェアはAndroidに移行したものと考えられます。
■Qualcommの大きな収益源
Qualcommは携帯電話機を構成する様々な部品や技術を開発・特許保有している、携帯電話と切っても切り離せない企業です。
それらの技術の特許は他の携帯電話関連の事業を行っている企業でも多々利用されており、そこで発生するライセンス料はQualcomm社の大きな収益のひとつでもあります。
ただし、このビジネスモデルが携帯電話開発企業やチップ開発企業の競争を妨げるものとなることが多くあり、特許紛争が多々あることも事実です。
この訴訟について、大変わかりやすくまとめられている論文がありますので、更に詳しく知りたいと思われる方は下記URLより論文へアクセスすることができます。
Qualcommの「ノーライセンス・ノーチップス」ビジネスモデルの全貌 : FTC v. Qualcomm米国訴訟(リンク)
リンク先URL:https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3469
■Snapdragon
Snapdragonは多くのAndroidに搭載されているQualcommが開発・製造を行っているCPUです。
正しくはSoC(System-on-a-chip)という基板上に載る半導体や各種素子を一つの統合されたシステムに組み込んでいる半導体製品です。
この製品ではスマートフォンの演算機能のほか、無線機能(携帯通信・Wi-FiやBluetooth)などが組み込まれています。
Snapdragonの型番には数字がのりますが、その数字が大きいほど新しいモデルであり、性能が向上しているとされます。