この記事ではAndroidに焦点を当てています。(検証機種はGoogle Pixel6a)
本体に内蔵された領域に保存される新しいSIMカードの形、「eSIM」についての検証です。
使用しているスマートフォンが不具合を起こしてしまった場合、不具合を改善するためにできる最後の作業として、メーカーから案内されるのは「強制初期化」となるケースがほとんどでしょう。

さて、かつては物理的なSIMカードが主流でしたので、強制初期化をしたことにより、電話番号が消えるということはありえないわけですが、昨今ではeSIMを使用しているケースも珍しくないため、強制初期化によって電話番号が消えてしまう懸念があると思います。

まして、eSIMの情報が消えてしまったとなれば、音声通話やモバイルデータ通信が利用できない不通期間が発生するだけでなく、多くの通信会社ではeSIM再発行手数料が発生し、機会的・金銭的な損失もあるわけです。

まあまあそんなことはさておき、検証では強制初期化をした場合に、eSIMの情報(電話番号等)が消えるのか・消えないのかを調べてみました。

・iPhone編はこちら

(おことわり)
あくまでのスマ辞書テクニカルの環境下においての検証結果を示すもので、すべてのケースで同じ結果となる保証はありません。(機械であっても絶対はありません。)
この記事を参考にしたことによるなんらかの損害・損失については、スマ辞書では責任を負いかねます。
この記事の内容は、あくまでも参考情報としてご活用ください。

Androidスマートフォンは製造メーカーによっても仕様が異なる場合があるため、同一の結果とならない機種などがある可能性に注意してください。

この記事ではPixel6aを用いています。
メニューの場所や項目名はメーカーや機種によって異なりますので、予めご了承ください。

【参考情報:eSIMプロファイルを誤って削除した場合の再発行手数料】

eSIMプロファイルを新しい端末に移行せず、誤って削除してしまった場合、多くの携帯通信会社では再発行手数料がかかります。
MNOと一部のMVNOの再発行手数料をまとめていますので、参考情報としてのせておきます。
手数料ビジネスと言われても仕方ないような事業者もありますが、、、そんなもんでしょう。

【通常の初期化ではeSIMを残すオプションがデフォルト】

通常の初期化であれば、「eSIMの情報」を「残す」か「消去するか」を選択することができます。
まずは、「ダウンロードされたeSIMを消去」にチェックを入れず、通常の初期化するべきでしょう。
(この記事を見ている時点で、すでにお試しいただいているかもしれませんが、、)

【検証に用いる機器とeSIMプロファイル】

検証に用いる機器とeSIMプロファイルについて紹介します。
・検証に用いる機器
Pixel6a
・検証に用いるeSIMプロファイル
楽天モバイルのeSIMプロファイル

【検証する強制初期化の手法の紹介】

検証1:「Find My Device」を用いた遠隔強制削除
Androidのデバイスを探す(Find My Device)機能を用いた遠隔強制削除後にeSIMプロファイルが残るのかを検証します。
検証することで、遠隔強制削除後でもモバイルデータ通信経由で追跡が可能であるかもわかります。

検証2:ファクトリーリセットを用いた強制初期化
起動時のロゴループや、「Androidシステムを読み込めません。データが破損している可能性があります..」と表示され、復旧しない場合に試す強制初期化の方法です。
本体のみで強制初期化を実行できますが、保存されているユーザーデータはすべて削除されてしまいます。
※メーカーや機種によってファクトリーリセットの方法は異なります。

(再現)可能な限り見たくない「Androidシステムを読み込めません。データが破損している可能性があります..」の表示

Google Pixelの場合は、次の記事の手順でファクトリーリセットを実行できます。
Pixel(1,2,3,3a,4,4a,5)のファクトリーリセット手順

【検証1:「デバイスを探す」(Find My Devices)を用いた遠隔強制削除でeSIMプロファイルは残るのか?】

・さて削除

https://www.google.com/android/find/より遠隔初期化します。

・結果

結果:eSIMプロファイルは消えませんでした。(残りました!)
でもAndroidの場合、強制初期化後は位置追跡ができないため、携帯通信会社の提供する「接続されている基地局によるおおよその位置測定」が使えるかもくらいしか、メリットは無いかもしれません。

【検証2:ファクトリーリセットによる強制初期化でeSIMプロファイルは残るのか?】

・さて削除

特定のボタン(電源・音量ボタンの組み合わせ)を押下しながら、起動すると「リカバリーモード」に入ることができます。
その後、ファクト−リセットを選択すると、強制初期化が始まります。
※機種によってファクトリーリセットの方法は異なるため、調べる際は「機種名 ファクトーリセット」や「機種名 強制初期化」と調べると良いでしょう。

・結果

結果:eSIMプロファイルは消えませんでした。(残りました!)
万一、 強制初期化(ファクトーリセット)を使用しなければならない場面でも、eSIMプロファイルが残る可能性があるということで、安心して復旧作業が行えます。

【結論・まとめ】

・通常の初期化→「ダウンロードされたeSIMを消去」にチェックを入れず初期化を行えば消えない。
・デバイスを探す(Find My Devices)を使用した遠隔初期化→残る
・ファクトリーリセットによる初期化→残る

という結果となりました。
いざ、Android端末の初期化・復旧が必要となった場合に、参考となりましたら幸いです。

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