PHSとは? (ピーエッチエス)

【概要】

PHS(ピーエッチエス)とは移動体通信サービスのひとつです。
通信電波方式が携帯電話と異なるため、携帯電話とPHSは法規や仕様上、明確に区別されます。

PHSは屋内では内線のコードレス電話として、屋外では簡易な基地局を経由して公衆交換電話網(いわゆる固定電話網)に接続する発想で作られた規格です。
この規格は日本初の規格でもあります。

ピッチなどの愛称で呼ばれていましたが、利用者数の減少などで採算が取れないなどの理由で、複数のPHS提供事業者はサービスを終了させました。

日本においては一般利用者向けのPHSサービスをワイモバイル(旧WILLCOMを吸収した)ならびにウィルコム沖縄が提供しています。
なお、一般利用者向けのサービス提供は2021年1月31日をもって終了しました。
また、法人向けのPHSはテレメタリングプランの提供も2023年3月末に終了することが発表されています。

※当初の停波は2020年7月31日であったが、新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響で、PHS電話機の需要が高い医療機関の切り替え体制が整わない可能性があったため、異例のサービス終了の延期となりました。

※テレメタリングサービス
自動販売機やコインパークングなど人が常駐しない設備を遠隔監視する用途のことを指します。

テレメタリングソリューション-Y!mobile
出典:https://www.ymobile.jp/biz/service_solutions/m2m/

【特徴】

■生い立ちと衰退

PHSサービス開始当初は携帯電話を利用するより安価であることから、たくさんの利用者がいましたが、携帯電話の高機能化(インターネットサービス・写真添付メール[写メ]など)などもあり、徐々に利用者が減っていくこととなりました。

■携帯電話とPHS電話機の違い

携帯電話とPHS電話機の異なる点として、通信電波方式が大きく異なります。
携帯電話はひとつの基地局を設置すると半径数kmの範囲をカバーしますが、PHSの基地局は広くても半径500m程度の範囲しかカバーしません。(マイクロセルと呼ばれています。)

出典:PHSの特徴;マイクロセルーPHS位置情報の現状と展開(DDIポケット)4頁より
https://www.mcf.or.jp/mcfnet/sample/semi/1999_06/pdf_files/19990624_ddip.pdf

これは基地局の送信出力が携帯電話と比べ非常に小さい(携帯電話は最大25W/PHSは20mW〜500mW/1W=1000mW)特徴があるためです。
基地局は小型であるため、工事・設置のコストは抑えられ、携帯電話の基地局と比べ、容易に設置することが可能です。
しかしながら、基地局がカバーするエリアが狭いことより、多数の基地局を設置する必要がありました。

このマイクロセルの特徴により、利用者が集まる都市部では、多数の基地局を設置していたことにより、余裕をもった運用ができています。
そのため、東日本大震災のときも携帯電話は輻輳(ふくそう・混雑の意)が起きましたが、PHSの基地局はキャパシティ(許容容量)を超えることは、ほとんどありませんでした。
さらに、NTTの電話交換機(WILLCOMから他事業者電話へ通信するための設備)に、WILLCOM独自IP網へ接続するためのITXという装置を設置していたため、WILLCOM同士で行われる音声通話にほとんど通信規制がかからなかったことは、一時期話題となりました。

出典:「災害と電話」の話(3)IPよもやま話-株式会社日立システムズネットワークス
https://www.hitachi-systems-ns.co.jp/column/75.html

■PHS端末の多様なモード

PHSはこの記事の冒頭にも記載したとおり、屋内では内線のコードレス電話としての活用方法が想定されており、実際の利用例も多いです。
PHS端末では「公衆モード」、「自営モード」ならびに「トランシーバーモード」の3つを基本動作モードとしています。
*各モードの仕様について

図解

出典:パーソナルハンディホンの技術ーテレビジョン学会誌Vol.50,No.2(1996) 2頁目
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej1978/50/2/50_2_207/_pdf

■医療機関への普及

病院などは携帯電話などの電波発信機器が医療機器に影響を与える恐れがある場所では内線電話などでPHSが用いられています。
医療用としてPHS電話機本体の出力が160mW以下の機種が採用されます。

出典:院内情報伝達ツールにPHS活用-日本医師会
http://www.medsafe.net/recent/107jikeikai.html

【仕様】

■使用している周波数

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