【概要】

OTA(オーティーエー)とはover the airの略語です。
無線通信によりデータの受信・同期やアップデートを行う通信手段を示す際に用いられます。

【用途】

OTAは様々な分野で利用されています。

■携帯電話の開通とSIMカードの有効化

OTAによる回線開通フロー(ALADINとはNTT docomoの基幹システムのことである)
出典:NTTDoCoMo テクニカルジャーナル Vol.15No.1 1頁目より
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/technical_journal/bn/vol15_1/vol15_1_024jp.pdf

家電量販店などで携帯通信事業者の契約を行った場合、FAXやタブレット端末などで契約手続きを行います。
携帯通信事業者の店舗などで契約を行った場合は、店頭の端末にてSIMカードに電話番号を始めとする開通に必要な情報を書き込みますが、家電量販店にはSIMカードに情報を書き込む端末がない場合が多いです。

このようなケースにおいてSIMカードに電話番号を含む情報を書き込む際にOTAの技術を利用します。
流れとして、すでにSIMカードの製造番号と紐付けされた契約書に契約者情報を記入し、店舗従業員が記入済みの契約書をFAXで携帯通信事業者の契約センターへ送付します。(タブレット端末の場合は契約者情報入力後にSIMカード台紙にあるバーコードを読み取る)
※この時点ではSIMカードには電話番号は書き込まれておらず、ネットワークに接続するための通信設定情報が書き込まれています。

契約審査を通過した場合は、店舗に契約登録完了通知を送付し、店舗においてSIMカードを挿入した携帯電話機を起動し、待受状態にします。
携帯通信事業者のネットワークに接続した際に、ネットワークから電話番号を含む情報がSMSを用いて送信され、携帯電話機経由でその情報が書き込まれます。(このSMS内容は利用者が見ることはできない。)

このOTAによる回線開通フローは携帯通信事業者のオンラインショップにおいての新規契約・MNP転入やSIMカードの交換が発生する機種変更手続きを行う際などにも用いられています。(契約情報とSIMカード製造番号との紐付けはオンラインストア拠点で行う)

■携帯電話機のソフトウェア・アップデート

携帯電話機のソフトウェア・アップデートを行う際にパソコンを利用せずに、携帯電話機に対してアップデート用データを送信し、単体でアップデートを行う事をOTAアップデートと呼ばれます。
iPhoneや多くのAndroid搭載携帯電話機のソフトウェア・アップデートは本体のみで実施することができます。

■iPhoneのWi-Fi同期

iPhoneはWindows版iTunesやMacの標準機能でバックアップや同期をすることができます。
パソコンにケーブルなどを接続することでバックアップを取ることや同期を行えますが、同じWi-Fiネットワーク内にパソコンとiPhoneが存在する場合は、ケーブルを接続せずとも同期を行うことが可能です。
この機能についてもOTAで行われている動作と言えます。

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