【概要】

スマートフォンとは携帯電話機の分類の1つです。
また最近販売される携帯電話機のほとんどがスマートフォンに分類されます。

スマートフォンのスマート(smart)には「頭の良い、賢明な」などの意味があり、それにフォン(phone)「電話」を組み合わせることで、頭の良い・賢明な電話という意味を持っています。

【特徴】

スマートフォンはたくさんの特徴をもつ電子機器です。
従来の携帯電話機と異なる革新的な特徴は次のとおりです。

■タッチパネルと画面の大きさ

多くのスマートフォンはタッチパネルを搭載しています。
タッチパネルを搭載することで、操作に必要なボタンの数を大幅に減らくことができました。
そのことにより、画面の占める割合を大きくすることができ、一度に表示できる情報量が多くなりました。

また、タッチパネルで操作をする操作画面の設計により、直感的に操作できることが多くの人に受け入れられました。

■たくさんのアプリケーションを利用できる

スマートフォンに搭載されているOS(AndroidiOS)にはアプリケーションストア(Playストア・App Store)という法人や個人が開発したアプリケーションを公開・導入(ダウンロード・インストール)できる仕組みが導入されています。
これにより、スマートフォンは基本的な機能に加え、様々なサービスの提供を受けること・作業性を向上するアプリケーションを導入することができ、拡張性に優れていることが便利に利用できる理由の一つに挙げられます。

また、アプリケーションを導入することで、いままでパソコンで行っていた作業の一部はスマートフォンで行えるようになりました。

アプリストア

■技術の結晶

スマートフォンには本体のほとんどを占めるタッチパネルに対応したディスプレイの他、スピーカー・マイクなどの電話機として必要なパーツを搭載しています。
それ以外にも様々な技術が利用できるチップを搭載しています。
・高い演算能力を持つCPU
・カメラ
・無線通信技術(Wi-FiBluetooth)
・GPS
・ジャイロセンサー(回転や回転角度を感知し数値化するセンサー)
・加速度センサー(1秒あたりの速度変化を測定するセンサー)
など..

これらの技術はアプリケーションでも利用することができ、この技術を活用した様々な機能をもつアプリが個人・法人を始めとする開発者によって、開発・提供されています。

【スマートフォンの歴史(大まか)】

■PDAの登場

PDAとはpersonal digital assistantの略語です。
日本語では「携帯情報端末」と訳されます。
1993年にAppleがPDA端末であるNewtonを発売したことからPDAの歴史が始まります。
当時はたくさんの企業がPDAに使われるOSやハードの開発・製造や販売を行っていました。

PDAの主な機能として、予定予約管理・メモ・電卓・辞書・ゲーム機能・マルチメディア(画像・音楽・動画の再生)やインターネット接続によるWEB閲覧機能を備えるものが多くありました。

PDAは携帯電話機などと接続することにより、屋外でも通信できました。
また、携帯電話機の機能を内蔵したPDAも登場しましたが、当時は大きく普及はしませんでした。

BlackBerryの登場とスマートフォンの始まり

PDAの開発や普及が徐々に進む中、2002年にBlackBerryが登場しました。
BlackBerryは現在のスマートフォンに非常に近い機能を備えていました。
音声通話・WEB閲覧は当然備えていましたが高いセキュリティー保護機能に加え、インスタントメッセージ(短文のメッセージのやり取り)・プッシュ型(即時配信)電子メール・WordやExcelなどの閲覧・編集機能を搭載している機種もありました。
アメリカではシンプルな設定により導入できることから、大きなシェアがありました。
日本でも外資系企業のビジネスマンなどが業務用の携帯電話として支給されるケースがあり、街中でも見かけることがありました。
このBlackBerryこそがスマートフォンの始まりでもありました。

スマートフォンの大きな転機

大きな転機点は2007年にAppleから発売されたiPhoneです。
これは音楽プレイヤーで人気のあったiPodシリーズに、電話や屋外でのデータ通信を用いたインターネット機能が搭載されたことと、壮大なプロモーションが大きな話題を呼びました。

従来型の携帯電話機(ガラケー・フィーチャーフォン)で利用できる機能は、「あらかじめ備えられている機能」と「厳格な制限のもと開発されたアプリ」に限られていましたが、iPhoneはApp Storeを介して自由にアプリケーションを追加・削除することができました。

さらには、話題性があったことで開発者(法人・個人)もどんどん参入し、アプリストアの急速な拡大がありました。

また、追随するようにオープンソフトウェアであるAndroidを搭載したスマートフォンも販売され始め、こちらもGoogleが運営するアプリストア(旧:Androidマーケット/現:Playストア)の急成長があったことによる普及が進み、現在の2強スマートフォンOSの一つとして現在も大きなシェアを保っています。

前項で挙げたBlackBerryもiPhoneやAndroid搭載スマートフォンに対して当初は善戦を繰り広げていましたが、アプリケーション(消費者向け)ストアの提供が適切に行えなかったことによる、市場シェアの低下に加え、業績の悪化などが重なり、スマートフォン市場から撤退しました。

BlackBerryとiPhone・Androidの勝敗を決めた一因は「消費者向けアプリケーションストアの拡充」にあったと言えます。
なお、現在のスマートフォン市場はiPhoneとAndroid搭載スマートフォンが殆どを占めています。

 

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