【今回のテーマと前回の内容】
今回は「どのようなスマートフォンが高く売れるのか?」というテーマについて、解説していきます。
人気機種はその当時の時勢や技術進歩に左右されますが、どのようなスマートフォンが中古市場でも需要があるのかは、法則があります。
これから機種変更や新規契約などで新たにスマートフォンを購入しようと考えている方も、売却を見越した機種選びをすることはたいへん良いことであると思います。
また、売却を視野に入れていない方も、「長く使えるであろうスマートフォン」の選び方と読み替えていただくことで、このテーマの解説をご活用いただければと存じます。
なお、前回(第4・5回)は「スマートフォンの買取・売価相場」の意味と「調べるために必要な情報」ならびに「スマートフォンの買取・売価相場」の実際の調べ方について解説していきました。
前回の記事:
(スマホ売却)スマホをいくらで売却できるかを調べる その1【第4回目・知識編】
(スマホ売却)スマートフォンをいくらで売却できるかを調べる その2【第5回目・知識編】
【このシリーズについて】
このシリーズでは中古スマートフォン(白ロム)の売却に長く携わっていた管理人が、これからスマートフォンを売却しようと考えている方へ「基本的な知識」・「高く売却するための方法」や「自身で売却するため」のハウツーをまとめています。
スマートフォンの売却を考えている方も考えていない方も、スマートフォンの知識として有益な情報を含めていますので、お時間がある際にでもぜひ読んでいただけると大変嬉しく思います。
【高く売却できるとは?(定義について)】
「高く売却できる」という具体的な数値(定義)はありませんが、スマートフォン(機種)が発売されてから2年程度経過した後に、メーカー小売(携帯通信事業者)の販売価格の5割以上の価格で売却できるスマートフォンもあれば、3割以下の価格で取引されている機種も多く見受けられます。
私としては先程の条件において(発売後2年経過)、小売り(または、携帯通信事業者)の販売価格の4〜6割程度の価格で売却できれば十分な値がついているのではないかなと考えています。
【高く売却できるスマートフォンのポイント】
中古市場で高く取引されるスマートフォンは、次のポイントに当てはまるスマートフォン(製品)です。
①発売されてから長い期間、経過していないスマートフォン
②故障・汚損・破損・水濡れのないスマートフォン
③国内外に通じて高いブランド力や信頼があるメーカーが発売するスマートフォン
④発売後、長い期間のOSアップデートが提供されると想定されるスマートフォン
⑤十分なスペックを持ち合わせており、長期的な利用に耐えうると想定されるスマートフォン
⑥多様な通信規格や周波数帯に対応したSIMロックが掛かっていない( SIMロック解除が行われている)スマートフォン
⑦ネガティブなイメージが少ない・ネガティブな事実があっても誠意ある対応を行ったメーカー製のスマートフォン
これらに当てはまる点が多いほど、中古市場でも需要があり、売却の際に高値で取引ができる可能性が高くなる傾向にあります。
さて、それぞれのポイントについて、簡単ですが解説をしていきます。
①発売されてから長い期間、経過していないスマートフォン
発売されてから期間が経てば経つほど、スマートフォン(機種)の価格は新品・中古問わず下がっていきます。
特に、後継機種が発表されたタイミング以降は、後継機種発表前の中古市場相場とくらべ、買取・売却価格が下ることが多く見受けられます。
高くスマートフォンを売却したいのであれば、可能な限り後継機種(2〜3代先)が発表される前までに売却するといいでしょう。
②故障・汚損・破損・水濡れのないスマートフォン
スマートフォンは精密機器であるため、故障・水濡れがあるスマートフォンは商品価値が低くなります。
今は動作していても故障や水濡れがあったことが原因で、利用できなくなったり・保存されたデータが損失してしまう可能性が否めないため、買い手はそのようなスマートフォンを購入することをためらいます。
また、スマートフォンというのは出先などでも利用するほど身近な機器であることから、汚損・破損のあるスマートフォンは「不格好で使いたくない」・「壊れたままでは嫌であるので、使うために外装修理するなど」と考える方も多いため、買取・売却価格が汚損・破損のないスマートフォンと比べ下がってしまいます。
スマートフォンの売却を考えている方は、スマートフォンをきれいに大切に使うことが必要であり、故障発生時は速やかに修理に出すなどし、将来の商品価値低下を防ぐことに務めることが必要です。
③国内外を通じて高いブランド力や信頼があるメーカーが発売するスマートフォン
著名なメーカーかつ、高く信用されているメーカーが発売したスマートフォンは買取・売却価格が高い傾向にあります。
このようなメーカーが発売したスマートフォンは新品・中古市場問わず、たくさんの需要があるためです。
④発売後、長い期間のOSアップデートが提供されると想定されるスマートフォン
スマートフォンは新しい機能の追加やセキュリティ確保を目的としたOSアップデートが提供されます。
すなわち、OSアップデート配信がされなくなったスマートフォンは、新しい機能が追加されなくなるだけでなく、サポート打ち切りによる非対応コンテンツが増えることやセキュリティ上に懸念が生じることになります。
中古市場の需要として、できる限り長い期間、安全で快適に利用したいと考えるためOSアップデートが長い期間提供される機種が選ばれる傾向にあります。
OSアップデートが長い期間提供される機種を発売しているメーカーとブランドの例を挙げます。
(例)
・Apple(iPhone/iOS)
・Google(Pixel/Android)
・Samsung(GALAXY/Android)
・SONY(Xperia/Android)
⑤十分なスペックを持ち合わせており、長期的な利用に耐えうると想定されるスマートフォン
スマートフォンのスペックで重要になることが「RAM」・「CPU」・「ストレージ」の3点です。
このスペックは処理能力に大きく影響することもあり、「④」のOSアップデートとも密接な関わりがあります。
処理能力が十分ではないスマートフォンは、動作が重くなるなど、利用にストレスを伴います。
また、最新版のOSが要求する処理能力に見合わないなどの理由により、OSアップデートが短期で打ち切られる可能性があります。
これらの理由により、十分なスペックを持ち合わせていないスマートフォンは中古市場でも安く取引されます。
中古市場の需要として、できる限り長い期間、安全で快適に利用したいと考えるため、十分なスペックを持ち合わせている機種が選ばれる傾向にあります。
⑥多様な通信規格や周波数帯に対応したSIMロックが掛かっていない( SIMロック解除が行われている)スマートフォン
・多様な通信規格・周波数帯に対応していること
通信規格には3G・4G・5G・GSMなどがあります。
この通信規格を更に掘り下げると、携帯通信事業者に対応する周波数帯というものがあります。
対応する通信規格や周波数帯が多ければ多いほど、たくさんの携帯通信事業者で利用できるため、需要があります。
・SIMロックが掛かっていないこと
せっかく多様な通信規格・周波数帯に対応していたとしても、SIMロックが掛かっている機種は、利用することのできる携帯通信事業者が限られている状態となります。
SIMロックを解除すること(SIMロックが掛かっていないこと)により、国内外問わず多くの携帯通信事業者で利用することができるようになる(選択肢が増える)ため、国内外においても重宝されるスマートフォンになります。(=需要があるため、買取・売却価格が高くなります。)
SIMロックが掛かっている状態では、決まった携帯通信事業者のみでしか利用することができないため、買取・売却価格が大きく下がってしまいます。
⑦ネガティブなイメージが少ないメーカー製のスマートフォン
故障の多発や安全性に問題のあるスマートフォンは新品でも中古市場でも避けられる傾向があります。
また、国際問題などにより貿易戦争に巻き込まれ、スマートフォンのOSアップデート提供が法的に絶たれたメーカーも出てきました。
このようなネガティブなイメージのあるメーカー製のスマートフォンは、買い控えが起きるため買取・売却価格が低くなります。
売却を想定して(長い期間スマートフォンを利用したいと考える場合)、スマートフォンを購入する場合は、このようなネガティブイメージや情報の少ないメーカー製のスマートフォンを購入するとよいでしょう。
【今回のポイントと次回のテーマ】
第6回では「どのようなスマートフォンが高く売れるのか?」というテーマについて、「どのようなスマートフォンが中古市場でも需要があるのか」という視点で7つのポイントを例示し、解説していきました。
次回(第7回)は「高く売却するためにスマートフォンを新たに購入したときの心得」について解説していきます。
スマートフォンの売却を視野に入れて機種変更等で新規取得した場合に、やっておくべきことをまとめています。
次回の記事:(スマホ売却)高く売却するためにスマホを新たに購入したときの心得【第7回目・知識編】
お読みいただき、誠にありがとうございました。