【概要】

SIMカードとはSubscriber Identity Module Card(サブスクライブ・アイデンティー・モジュール・カード)の略語です。
日本語に訳すと加入者識別モジュールとなります。

携帯電話機を携帯通信事業者のネットワークへ接続するための情報として、加入者(契約者や利用者)を特定するためのID番号(IMSI)が記録されているカードです。
携帯電話機を用いて携帯通信事業者のネットワークを利用した音声通話やデータ通信を行うために、必要なカードとなります。

【歴史】

1980年代にアナログ自動車電話方式においてSIMカードが導入されました。
複数の自動車に設置された各自動車電話を単一電話番号で利用する目的のためでした。
当初は接触型ICカードではなく磁気カードが用いられていました。

出典リンク:http://www.mobilecollectors.net/phone/6054/Storno+MOTRONIC+6000c

1990年代上旬にサービスを開始したGSM通信方式では、SIMカード(接触型ICカード)に加入者を特定する情報を書き込み、携帯電話機に挿入する方式が採用されました。
これにより携帯電話機本体と加入者情報の分離が可能となりました。

2001年より開始した3G(W-CDMA)でも3G網で利用ができるよう追加設計されたSIMカードが採用されました。
この頃より携帯電話機の小型化に合わせて、SIMカードの小型化も進みました。(miniSIM)
以降もSIMカードは加入者情報の特定と利用者認証を行うために、LTE,4G,5Gでも採用されています。

【特徴】

■携帯電話機本体と加入者情報の分離ができるようになりました。

従来は携帯電話機本体に電話番号を書き込んでいましたが、SIMカードが採用されたことにより、カードを抜き差しするにより、他の携帯電話機本体を利用することや、SIMカードを複数枚挿入できる携帯電話機では複数の電話番号を使い分けることができるようになりました

利用例として、携帯電話機本体が故障するなどの障害に見舞われたとき、以前持っていた携帯電話機や友人などから譲渡された携帯電話機(白ロム)に自身のSIMカードを差し込むことで、自分の電話番号や契約している通信プランを特別な手続きをせず、交換した携帯電話機で利用できるなど利便性が向上しました。
SIMロックの範囲内もしくはSIMフリーであることが前提です。

こうした仕様の導入により、中古携帯電話市場なども大きく発展することとなります。

■特別な機器を用いないOTAによる開通【対応するSIMカードのみ】

OTA(Over the air)という技術を用いることで、次のことができるようになりました。

・インターネットでの申込みにおいての自宅での回線開通
・家電量販店などの代理店に特別な専用機器を設置せずに回線開通
これはSIMカード内に携帯通信会社のネットワークに接続するための通信設定情報をあらかじめ書き込み、SIMカードの製造番号と代理店にて記入する契約申込書を紐付ける(またはオンラインショップ運営側でのSIMカード製造番号と契約者の情報を紐付ける)ことで、携帯通信会社が契約を承認した場合、通信会社のネットワークに接続した時点(初回接続)で回線を開通(利用者には閲覧できないタイプのSMSで情報を送り込む)させることができるようになりました。

【仕様】

■SIMカードに記録されている情報

・ユーザーが操作することのできない情報

・ユーザーが操作/書き込み可能な情報

■SIMカードのサイズ

規格番号/名称

・1FF=SIMカード


2FF=標準サイズのSIMカード/mini SIM/Plug-in SIMカード

3FF=micro SIM

4FF=nano SIM

eSIM

物理的なSIMカードは発行されません。 携帯電話機に内蔵されているチップに保存されます。

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