こんにちは。 スマ辞書ライターです。
このところ災害が多発しており、日々防災・減災の取り組みに努めている方も多いかと思います。
さて、防災グッズの中にスマホの充電器として「乾電池式のスマホ充電器」を入れようか悩んでいたり、すでに備蓄している方に向けて、「乾電池式スマホ充電はどのくらい充電できるのか」という内容で検証をしていこうと思います。

【検証内容】

今回はTOPLAND社(トップランド)製の、単3電池を4本入れることのできるスマホ充電器を使用して、次のような検証をしていきます。

・乾電池4本でどのくらい(何パーセント)くらい充電できるのか?
・スマホの電池残量を100%にするためには何回電池を交換する必要があるのか?

■使用する乾電池式モバイルバッテリー

乾電池式充電器 iPhone(品番:M4161 SW) 販売元:株式会社トップランド
セブンイレブンで2000円程度で購入しました。
単3電池が4本セットされている状態で販売されています。(乾電池は交換可能です。)

■使用する乾電池

今回は単回使用の一次電池と、充電することで再利用可能な二次電池の2パターンで計測しました。
(パターン1:単回使用の一次電池)
三菱アルカリ乾電池 単3形 1.5V

(パターン2:再利用可能な二次電池)
パナソニック エネループ(スタンダード単3) 1.2V 1900mAh
※充放電サイクルはどの電池も10回未満です。
※厳密に言えば乾電池ではなく、「充電池」と呼ばれます。

■検証するスマートフォン機器

検証するスマートフォン機器は下記の通りです。
※今後、検証機器を追加するかもしれませんが、とりあえず新品に近いiPhoneを用いて検証します。

・Apple iPhone12 64GB
バッテリーの最大容量:100%
iOSバージョン:15.3
備考:購入後1ヶ月程度です。

■充電開始・終了条件

・充電開始条件
バッテリー残量が1%になったときから充電を開始します。

・電池交換条件
乾電池(モバイルバッテリー)からの電源供給が停止した場合で、スマートフォンが満充電されていない場合(=99%以下)は15分以内に電池交換の上、充電を再開します。

・充電終了(検証終了)条件
スマートフォン側の電池残量が100%であることを確認した時点で、検証を終了します。

【検証する上でのスマートフォンの省電力と通信に関する設定と補足】

停電時を想定して、比較的設定しやすい省電力機能を有効にしつつ、必要不可欠な機能はOFFにしない前提で下記の条件にて検証します。

■iOS
・バッテリー残量が1%となった時点でiOS標準機能の”低電力モード”を有効にします。
(補足)→乾電池式モバイルバッテリーは電源がつかない状態の使用を想定していません。

・輝度は最小値に設定しています。
(補足)→言うまでもないですが、輝度を最低値にすることで、バッテリー残量使用を抑えることができます。

・ダークモードはOFFにします。
(補足)→節電効果が低いとの結果があるため、今回はあえて通常表示で検証します。

・モバイルデータ通信はUQモバイル(4G)で運用,Wi-FiとBluetoothはOFFにします。
(補足)→①緊急情報(エリアメールの受信)を受けることができるよう、機内モードにはしません。
また、LINE等の連絡を受けることを想定して、モバイルデータ通信はONにしています。
②サービスエリアや基地局密度が充実しており、帯域制限を受けない回線としてUQモバイル(4G)を選定しました。
③Wi-FiとBluetoothは使用しない想定です。(停電時はWi-Fiは使うことができない+Bluetooth機器を使う機会が低いと想定)

・位置情報サービスは有効にします。
(補足)→家族や知人との位置情報共有をするかもしれないと想定し、位置情報サービスは有効にしています。

・画面ロックやFaceIDは有効な状態にしています。
(補足)→発災時に電池を消費するからと画面ロックやFaceIDを無効にする方は少ないと想定し、画面ロック機能は有効にしています。

【バッテリー残量の取得方法】

充電開始時点を0分とし、15分ごとに目視でバッテリー残量(パーセント)を確認し、記録を取ります。
なお、アプリを使用したログ取得や容量取得(n"mAh")の取得は行わないものとします。(サードパーティー製アプリを使用することで、検証に影響を及ぼす可能性を排除することが理由です。)

【検証結果】

■iPhone12

セットアップ直後の状態でサードパーティー製アプリがインストールされていない状態でスマートフォン電池残量を計測しています。(※ただし、スマートフォン使用に事実上必須なApple IDやGoogleアカウントはサインインされている状態です。)
→アプリのインストール状態によって、充電効率や電池使用量が変わるためです。

・乾電池[三菱アルカリ乾電池 単3形 1.5V]

画像内の細かい内容はブラウザの拡大(スマホならピンチアウト)で確認できます。

充電が満タンになるまでかなり時間がかかりましたが、1回の電池交換で済みました。
使用状況によっては電池交換回数が増えることが予想されるため、電池の予備は多めに持っておくと良いでしょう。


・充電池[パナソニック エネループ(スタンダード単3) 1.2V 1900mAh]

画像内の細かい内容はブラウザの拡大(スマホならピンチアウト)で確認できます。

乾電池とくらべ、かなり早くで充電することができました。
実用利用でもまあまあ良いかなと思える組み合わせでした。
エネループ充電池は初期投資としては値がはりますが、再利用できる点を考慮すると、メリットのほうが多いと感じました。

・乾電池[三菱アルカリ乾電池 単3形 1.5V] VS ・充電池[パナソニック エネループ(スタンダード単3) 1.2V 1900mAh]

画像内の細かい内容はブラウザの拡大(スマホならピンチアウト)で確認できます。

比較してみると、エネループ充電池を使用した充電のほうが、早く充電できることがわかります。
乾電池を充電に用いる場合と比べ、2分の1の時間でスマートフォンが満充電できることがわかりました。

【防災備蓄としての最適解】

・エネループ×乾電池式スマホ充電器
次のようなアイテムを防災備蓄品として備えておくことがよいでしょう。
※機種によってはケーブルを別途用意する必要があります。
↓あくまで代表的なラインナップをお示しするもので、ご自身で良いなと思ったお品を選択することも良いでしょう。

①エネループ充電器兼モバイルバッテリー機能付き

②エネループ充電器+乾電池式充電器

・多量の乾電池式×乾電池式充電器
次のようなアイテムを防災備蓄品として備えておくことがよいでしょう。
※機種によってはケーブルを別途用意する必要があります。
↓あくまで代表的なラインナップをお示しするもので、ご自身で良いなと思ったお品を選択することも良いでしょう。
①Type−Cケーブル付き乾電池充電器

①ライトニングケーブル付き乾電池充電器

②乾電池まとめ買い

もしこれらのアイテムを購入した場合は、ちゃんと使うことができるのかを平時に確認しておくことが大切です。

【実際に災害(停電)に遭ったときのスマートフォン充電と使用の留意点】

今回の検証では、アプリのインストール状況等、充電効率に左右しそうな項目を極力排除した上で、検証しています。
省電力機能を用いたとしても、メッセージアプリのプッシュ通知は届きますが、今回の検証では完全に度外視しています。
そのため、実際の使用環境において充電速度や充電できる容量減少することは容易に想像できるでしょう。
実際に災害に遭ってしまった場合、どうすれば効率よく充電ができるかを、簡単ですが解説します。

・充電のみに専念するのであれば、電源をOFFにして充電することで、ロス電力は減少します。
ただし、電源をOFFにすることで、緊急メッセージ(エリアメール等)を見る機会を失いますし、情報収集をすることができなくなります。 自身や周りの状況に応じて適切に判断することが大切です。

・周辺の基地局から電波を受信できなくなった(圏外)となったり、著しく電波強度が弱い場合は、機内モードを有効にする。
電波強度が著しく弱い場合や、圏外の場合、基地局からの電波をなんとしてでも掴もうと動作するため、電波状況の良い場所と比べて電力使用量が増えることになります。
機内モードを有効にすることで、この動作は停止するため、スマートフォンの消費電力が減り、効率的な充電に一役買います。

・ストリーミングラジオやインターネット同時放送の使用を避ける。
これらのサービスの利用は、重要で正確な情報が要約されており、不安な気持ちを少しでも和らげてくれることでしょう。
しかし、常にデータ通信を行うことでスマートフォンの消費電力は多くなり、かつ、機器温度の上昇の原因となることから、効率的な充電の妨げとなる可能性があります。
自身が安全な場所におり、情報収集ができる代替え機器(ラジオ等)を使える状況下であれば、スマートフォンでストリーミング再生ラジオやインターネット同時放送を使うことは極力避けたほうが良いでしょう。
どうしてもこれらのサービスを使用するときは、充電しながら使用することは避けることを強く推奨します。
また、普段からの備えとして、電池式のラジオを準備しておくことをおすすめします。

【おわりに】

乾電池式スマホ充電器の充電性能について実際に検証していきましたが、実際に使用してみると「意外と充電できる性能があるんだなあ」と思いました。
防災備蓄品として備えておくことで、いざというときでも、スマートフォンを活用することができることでしょう。

乾電池式スマホ充電器を防災備蓄品として買うことになった際、「買えばOK」ではなく、「実際に使うことができるか?」を平時の内に確認しておきましょう。
発災時に「実は使えなかった」ではたいへん困ることになるからです。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。