【概要】
コード決済とはスマートフォンの専用アプリケーションよりQRコードやバーコードを読み取ることにより、代金支払いなどの決済を行うことができる決済方法です。
利用者・店舗のどちらがQRコードやバーコードを読み取るかは、バーコード決済を導入している店舗によって異なります。
【特徴】
■店舗側に専用機材を導入せずとも利用することができる
コード決済アプリにはQRコードを読み取り、決済を行う機能があります。
店舗側に決済用のQRコードを印刷したシールや用紙を設置することで、コード決済利用者は支払いを行うことができます。
これにより店舗側には専用機材や専用回線を設置せずとも支払いを行うことができます。
■利用者側はさまざまな支払い方法を利用することができる
コード決済利用者は銀行口座や提携サービスからコード決済を利用するための残高をチャージすることができます。
また、対応するクレジットカードやデビットカードを登録することで、コード決済を介してカード払いを行うことができます。
コード決済によるポイントの他、クレジットカードやデビットカードの決済ではカードのポイントも貯めることができるため、現金やクレジットカード単体払いと比べ、ポイント還元が高率となることがあります。
【決済方法】
コード決済に対応した店舗では次のいずれかの方法で支払いを行うことができます。
■(ユーザースキャン方式)利用者側が専用アプリでQRコードを読み取って支払う方法
<決済の流れ>
①店舗従業員が会計金額を利用者へ伝える
②利用者はコード決済をする旨を伝え、店舗に備えてあるQRコードを読み取る
③利用者は会計金額を入力し、相違がなければ支払いを実施する
④利用者のスマートフォンに決済が完了した旨が表示されます。
店舗従業員は決済完了画面を確認し、支払先・支払金額に相違がないことを確認します。
⑤正常に終了した場合は、商品を利用者に引き渡し会計終了となります。
■(ストアスキャン方式)店舗が利用者のスマートフォンの専用アプリに表示しているバーコードやQRコードを読み取って支払う方法
①会計金額が確定したら、コード決済を利用する旨を伝える
②店舗従業員は利用者のスマートフォンに表示されているバーコードまたはQRコードを読み取ります。
③決済が完了するとPOS(レジ)と利用者のスマートフォンに決済が完了した旨の通知が届きます。
④正常に終了した場合は、商品を利用者に引き渡し会計終了となります。
【コード決済アプリの基本的な機能(利用者)】
①店舗に備え付けのQRコードを読み取る画面へ移動します。
②支払手段を選択できます。(決済サービス内の残高・クレジットカードなど)
③店舗がスキャンするためのバーコード・QRコードが表示されます。
※バーコード・QRコードは一定時間経過後・画面遷移・スクリーンショットの撮影などの理由により更新されます。
④バーコード・QRコードを手動で更新するために利用します。
⑤ポイントやクーポン利用機能がある場合、利用のON/OFFを選択できます。
⑥QRコードを読み取る際に、カメラに表示されている内容を表示するための領域です。
⑦店舗QRコードを読み取った際に、金額を手動で入力する必要がある際に表示されます。
この画面に金額を入力し、支払いを実行できます。
⑧決済完了画面です。 店舗QRコードを読み取る方式の際は提示が必要になります。
■その他
コード決済サービスによっては、決済サービス内の残高を用いて、個人間で金銭のやり取りを行うことができる機能があります。
【コード決済アプリの基本的な機能(店舗)】
店舗にて導入するコード決済アプリには、基本的に以下の機能があります。
①取引高集計機能
②取引取り消し機能
③入金機能
④(サービスによる)POS機能
⑤(サービスによる)ストアスキャン機能
なお、大手事業者の一部は、POSレジスターにコード決済機能を搭載する方式を取っているため、レジ担当者が既存のレジ操作の応用で取引・返品操作ができるようになっている事があります。
【沿革】
■中国においての普及
中国において2011年にAlipayがスマートフォンを利用したコード決済の提供を開始しました。
その後、現在に至るまで中国国内で非常に多く使われている決済手段となりました。
■日本においての普及
その後、2017年2月に日本企業発のOrigami Pay(現在は廃止)がQRコード決済を開始しましたが、国内ではすでに非接触ICカードやおサイフケータイを利用した決済方法が普及しており、コード決済はさほど普及しませんでした。
2018年12月にソフトバンクグループのPayPay株式会社がQRコード決済を開始したと共に、利用額の20%を残高に還元するという施策により、コード決済の知名度が向上しました。
さらに2019年10月の消費税増税にともなうキャッシュレス還元事業においても、利用者・店舗ともにコード決済の導入のし易さが受け入れられ、普及率上昇に繋がりました。
現在の日本ではコード決済事業者が乱立している状況であり、事業者間の競争が激しくなっています。
この現象は中国でも同様にありましたが、最終的には数社のみが生き残るという結果となりました。
日本も同様の動きを辿ると推測されます。