クレジットカードやローン提供会社(信販会社)[この記事では"クレジット会社"と表記]を使用して、物品を購入した際に、商品の引き渡しやサービスの提供(サービス役務)が行われない場合の、請求の止め方・調査依頼の流れなどを実体験をもとにまとめています。

たとえば、通販サイトで購入したスマートフォンが全然音沙汰ないなどの、通販サイト絡みのトラブル。
サービス提供を受けるにあたって、支払い済みの代金があるにも関わらず、提供事業者が倒産した(旅行代理店・エステサロンetc..)などの不運なケースに遭遇したときに、この記事の内容が少しは役に立つかもしれません。

この記事はあくまでもスマ辞書ライターが海外通販で購入した商品が届かないことより「支払停止等の抗弁(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)」を行い、請求を取り消しすることができた成功例について、書いています。
個別の案件によって、どのように対処すべきかは異なります。
もし自身が「支払停止等の抗弁(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)」を行う必要が生じるような事象が生じた場合、行動に移す前にまずは、「最寄りの消費生活センターなどの専門機関」速やかに相談し、その指示を仰ぐことを強くおすすめします。

【支払停止等の抗弁とは?】

消費者と事業者のクレジットを利用した契約で購入した商品を引き渡してもらえない等のトラブルが発生したとき、トラブルが解決するまでの間、消費者がクレジット会社へ代金の支払い停止を申し出ることです。

横浜市消費生活センター

「商品やサービスの提供を受けていないのに、請求されるのは困る」ということで、特定の条件を満たした場合に限り、クレジット会社に対して当該取引の請求を一時的に停止することを求めることです。

"支払停止等のお申し出の内容に関する書面"とクレジット会社が指定した資料とともに、提出することで、問題の取引に関する請求を差止めすることができる可能性があります。

詳細は、下記リンクから確認することができます。
支払停止等の抗弁に関する手続きについて(ご案内) 一般社団法人日本クレジット協会

https://www.j-credit.or.jp/customer/consult/download/140602_siharai_teisi.pdf

【どのようなケースで使うことができるのか?】

■どのようなケースで「支払停止等の抗弁」=(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)ができるのか?

①商品の引渡しや役務の提供をしてくれない。
②商品に欠陥(瑕疵)がある。
③役務の提供内容に問題がある。
④見本・カタログ等と現物・役務内容が違う。
⑤商品の販売条件となっている役務を提供してくれない。
⑥その他契約内容等に問題がある。

購入した商品やサービスに上記のような問題がある場合、販売店と連絡/相談しても埒(らち)があかない場合・連絡に対する返信が明らかに遅滞している・連絡が取れない場合に「支払停止等の抗弁(支支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)」ができる場合があります。

■支払停止の抗弁(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)ができない条件

①クレジット契約が割賦販売法の適用を受けないとき。
②クレジット契約が割賦販売法の適用を受ける場合であっても、売買契約等が割賦販売法第35条の3の60第2項第1号(商品の購入が営業のため、営業としてのものであるとき)に該当するとき(但し、業務提供誘引販売個人契約・連鎖販売個人契約にあたる場合を除きます)。
③現金販売価格に分割払い手数料を加えた総額が4万円未満のとき(リボルビング払いの場合は現金販売価格が 3 万8千円未満のとき)。
④お客様の支払いの停止が信義に反するとき。

条件に関しても、すべて重要な内容とはなりますが、一般消費者の中で特に重要なポイントは①と③です。

①では支払回数・期間が重要なポイントとなります。

1回(一括)もしくは支払期間2ヶ月未満となる2回払いは、クレジットカードや信販会社経由で支払った場合でも、割賦販売法の適用外となります。
仮に問題となる取引を1回払や2回払いで支払いを予定していた場合は、「3回払い以上」もしくは「リボ払い」に支払回数や方法を変更することで、割賦販売法の適用を受ける取引となり、要件を満たすこととなります。

③39,999円以下の取引(リボ払いでは37,999円以下)の取引では適用されないことも重要なポイントとなります。

文字列の通り、表記の額面以下の取引では、支払停止の抗弁の要件に当てはまらないことになります。
ただし、泣き寝入りすることなく、「消費生活センターなどの専門機関」にすぐに相談することで、何らかの救済の手立てが見つかる可能性がありますので、諦めずに、相談することが非常に大切です。

※転売・再販をすることで利益を上げることを目的とした個人・個人事業主や法人の場合、「②」の除外要件に該当するため、支払停止の抗弁(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)の要件に当てはまらないことになります。

前項同様、泣き寝入りすることなく、「消費生活センター」にすぐに相談することで、何らかの救済の手立てが見つかる可能性がありますので、諦めずに、相談することが非常に大切です。
ただし、転売・再販目的の仕入れをクレジット会社の与信枠で決済することは、契約や規約で認められていない場合も多いため、よく確認しておく必要があります。

【ここからは経験談】

こんな風に動いたよ..という記録です。(具体的内容を直接特定できないように隠す措置をしていますので、ご了承ください。)
個別の案件によって、どのように対処すべきかは異なります。
また、支払停止の抗弁(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)ができたとしても、請求の取り消しに至らないケースも大いに考えられます。
現実の問題に対しては消費生活センターや司法書士・弁護士などの専門家に相談の上、万全の準備を行った上で、支払停止の抗弁(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)を行うことが、自身が不利益を被らないために重要なこととなります。

■事の経緯(いきさつ)

スマ辞書ライターが海外通販サイトで購入した商品が届かないことによる、支払停止の抗弁(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)にいたる経緯を12のイベントに分けて、説明していきます。

1.注文

2020年2月下旬に海外通販サイトAで約99,000円のアイテムBを4点オーダーしました。
納期は1週間とのことで、まあ早いほうだなと思いながら、、クレジット会社Cのゴールドカードでそれぞれ決済しました。
※正直、アイテムBは希少性が高く、入手が少々難しい品物のため、4点もオーダーできたことに正直驚きと、本当に届くのかな?とこの時点で警戒していました。

2.海外通販サイトAのレビューを見てかなりビビる/ちゃんと納品されるのか問い合わせてみる

オーダーは正常に受け付けられたように表示されており、納品日も注文から1週間ということで、商品が納品されるのを待っていましたが、、、
海外通販サイトAの評判を調べてみると、至るところで悪評がたっているではないですか!
主な内容としては、商品が届かない・返金がなされないなど、様々な国から報告が上がっていました。

まずは、問い合わせフォームから「商品の発送や納期に変更はないか?」という内容を英語で問い合わせしました。

3.「発送前であればキャンセルできるよ」の表記を確認→キャンセルしてと連絡する

海外通販サイトAからは、「納期に変更はなく、予定通り処理されている」と連絡が入る。
この時点で不信感がかなり高い状態でした。
この海外通販サイトAは、商品発送前であれば「無条件でキャンセルすることができる」ことが記載されていました。
このことより、注文のキャンセル依頼を問い合わせフォームから実施しました。

ここからが泥沼の始まりです。

4.トラブルが起きると思って、カード会社に事前に相談した
この時点で何かしらの問題が生じる確率がかなり高いと考えたため、クレジット会社Cに事前相談を行い、「万が一、発送されないなどのトラブルが生じた場合は、お客様より加盟店に相談をしてもらいつつ、カード会社側でも調査を行うこともできます。」との回答を得られました。
また、「海外通販のため、キャンセル処理が行われていても、カード会社に情報が届くまでに時間がかかることが想定されるとのことで、2週間〜1ヶ月程度様子を見て、状況が不変の場合は調査を行うので、連絡がほしいとのこと」で話がまとまりました。

5.アイテムBは確保できないから、代わりのアイテムを用意したから、わかってくれてありがとう?
海外通販サイトAから、驚愕の連絡がありました。
「アイテムBの在庫がないため、同等品に注文を入れ替えました」
「は?勝手なことしてアホちゃうん」と思いつつも、冷静に「同等品は不要のため、注文をキャンセルしたい」ことを、海外通販サイトAに対し、問い合わせフォームから通知しました。

6.引き続きキャンセルする旨を連絡する
どうせ届かんだろと思い、当初の納期まで放置していました。
そうすると海外通販サイトAから「近日中に一部の商品の発送ができる」と連絡がありました。
話の通じない会社だなと思いつつ、「すでに注文のキャンセルを依頼済みである」ことを海外通販サイトAに対し、問い合わせフォームから通知しました。

7.進展?
クレジット会社Cの指示通り、2週間〜1ヶ月程度様子を見てみましたが、「近日中に一部の商品の発送ができる」旨の連絡が来るだけで状況が改善することはありませんでした。

8.「支払い停止の抗弁」について知る・問題の取引の支払い回数を変更する

このままじゃ40万円近く、商品がない状態で請求されるなと思い、対抗措置を探していました。
そこで、「支払い停止の抗弁」について知りました。
条件を確認していると、原則は3回払い以上でないと、「支払い停止の抗弁権」を行使することができないことがわかり、問題の取引をすべて「3回以上の支払い方法」となるように支払い方法を変更しました。

9.クレジット会社Cに「支払停止等の抗弁」(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)をしますと連絡する
クレジット会社Cのコールセンターに連絡し、「支払停止の抗弁」を行いたい旨、連絡しました。
コールセンターの担当者は困惑した様子で確認してくれ、最終的には「お客様相談室」という通常とは異なる部署が対応することとなりました。
次の点を伝えることで、お客様相談室の担当者の方は「支払停止の抗弁」を受け付ける・「調査を実施して、事実が認められれば請求を取り消す」という話に持っていくことができました。

・販売者と連絡を頻繁に行っているが、一向に埒が明かないこと
・商品の到着はおろか、発送もまだされていないこと
・「支払停止の抗弁」を行使できる条件が整っている取引であること
・連絡内容など、必要な資料は一切を提示できること

これにより、「支払停止等のお申し出の内容に関する書面」、「可能な限り事の経緯が分かる資料」と「やりとりの内容」をクレジット会社Cに送付することで、対応してもらえることとなりました。

10.クレジット会社Cに「支払停止等の抗弁」(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)を行う

クレジット会社Cより指示された資料を準備・作成し、「簡易書留・速達」で送付しました。
※送付した資料のコピーをしっかりと取っておきましょう!
※ここで準備した資料については、後述します。

11.「支払停止等の抗弁」が受け付けられていることを確認する

クレジット会社Cより、「資料を受領した」旨と、「調査が終了し次第、連絡します」とのことで電話がありました。
また、問題の取引について、請求書(明細)に記載はあるものの、実際には請求されていない(差止め)状態となっていました。

12.クレジット会社Cの調査の結果、当該取引の請求は取り消されて安堵する

「支払停止等のお申し出の内容に関する書面」を提出してから2週間後に、クレジット会社Cより「今回の取引について請求を取り消ししました」とのことで、連絡が入りました。
無事今回のトラブルについては請求もなく、問題解消しました。

■提出した資料

提出した資料について、再現します。
4種類の資料を準備・作成して、クレジット会社Cに送付しました。

内容については、参考程度に御覧ください。
※スマートフォンなどでご覧の場合、ズーム操作をすることで詳細箇所を見ることができます。

1.支払停止等のお申し出の内容に関する書面

スマ辞書ライターは次の内容で「支払停止等のお申し出の内容に関する書面」を作成し、提出しました。
また、添付資料を3点添付しました。

「支払停止等のお申し出の内容に関する書面」表面

「支払停止等のお申し出の内容に関する書面」裏面

・添付1:発送前であれキャンセルできることが明示されているWEBページの印刷

・添付2:注文内容と納期についてわかるメールの印刷

2.当該取引の内容と請求内容

・当該取引がわかる明細と調べて把握できた加盟店情報

添付3:

3.海外通販サイトAとの時系列のやり取り記録

スマ辞書ライターはwordで次のような時系列表を作って添付しました。

4.海外通販サイトAとのメールのやりとり
※画像をWEBページ上に掲載すると膨大な数となるため、省略しています
主に、メールやWEBページのスクリーンショットを印刷し、「海外通販サイトAとの時系列のやり取り記録に対応するように番号付けをして添付することで、クレジット会社からの問い合わせ・追加資料の提出依頼などのやりとりが発生せず、スムーズに受け付けてもらうことができる可能性が高くなります。

■手続き成功のポイント

1.怪しいなと思ったらクレジット会社もしくは信販会社に予め相談しておく
→事前に相談しておくことで、いざ問題が進んだ際に、比較的スムーズに対応してもらえる可能性が高まります。

2.通販サイト(販売元)に対して、起きている問題を解決するように、利用者側から常にコンタクを取り続ける(※仮に返事が来ないとしても)
→「支払停止等の抗弁」(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)を行うに当たり、販売元と交渉している事実が必要です。

3.通販サイト等とのやり取りの記録をすべて残しておく
→「支払停止等の抗弁」(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)の資料を作成するに当たり、客観的に交渉している内容などがわかる資料とともに提出することで、クレジット会社の調査がスムーズになるだけでなく、やり取り自体の回数を減らすことができます。

4.「支払停止の抗弁」ができる要件が揃っているかをよく確認しておく
→当然ながら、「支払停止の抗弁」ができる要件が揃っていないと、クレジット会社は対応してくれない可能性が高いです。
※過去には大手旅行代理店の倒産事件等で、本来は「支払停止等の抗弁」の対象とはならない取引に関しても、適用できた事例がありますが、
大原則としては「支払停止の抗弁」ができる要件がそろっていることが必要です。

【おわりに】

だらだらと「支払停止等の抗弁(支払停止等のお申し出の内容に関する書面の提出)」を実際にやってみた手順について、書いていきました。
現在、問題に直面している方は、多大なプレッシャーもあるかと思いますが、とにかくめげずに、必要な資料を揃えて、正当かつ矛盾のない主張をすることで、問題解決の糸口が見つかる可能性が高くなります。
まずは一人で抱え込まずに、消費生活センターなどのトラブルに対する解決の助けとなる専門家に頼り・相談することが大切といえるでしょう。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。