何らかの理由で「身分証明書」がないけれど、電話番号を持ちたい場合の手順について解説していきます。
この手順は「身分証明書がない」・「居住地がない」・「未成年であるが親権者同意が得られない」場合を想定しています。
※身分証明書という単語は、以降「本人確認資料」と言い替えます。
失業等による収入減・居住地喪失やDV等回避のための家出などの悪い状況におかれている方が、就活や公的機関の支援を受けるために本人確認資料や居住地がない場合でも「電話番号」を持つことができるようにするために活用いただきたいと思い、その手順を記事化したものとなります。
この手順を行うためには「現金」が必要となります。
なお、この手順は2020年12月現在に利用できることを検証しておりますが、将来的に何らかの理由で使えなくなる可能性があることを、ご了承ください。
また、この記事の内容は、一度読んだだけでは、すべての行程を理解することが難しいかと思います。
この記事とリンク先の記事の内容を熟読し、繰り返し確認を行い、できるかぎり手順・道理や理屈を把握した上で、行動するように努めてください。
【2021年12月1日の050番号取得のための本人確認方法(スキーム)変更の影響があります。】
大変残念なことに、2021年12月1日以降、ブラステルの050番号を取得するためには、運転免許証等の本人確認資料のアップロードが必要となりました。
このことにより、本人確認資料としてブラステルが認める資料が提出できない場合は、ブラステルのアカウントを作成し、050番号を所有することはできなくなりました。
この記事は過去について記載しており、現在はこの方法を使うことができません。
じきに記事を修正いたしますが、今しばらくご留意くださいますようお願い申し上げます。
なお、2021年11月30日までに取得したブラステルの050番号はチャージ等で有効期限を延長することで、継続して利用できるとのアナウンスがあります。
【この手順を行うことで得られるもの】
・スマートフォン
・モバイルデータ通信が可能な環境
・SMSの受信が可能な090,080,070のいずれかから始まる電話番号
・オンライン決済に利用できるVisaデビットカード(バーチャルカード)
・050から始まる発着信可能な電話番号
【必要なもの】
・現金
・日本語の読み書き、日常会話程度話せる能力
【必要となる費用】
現状において、持っているものが多いほど、「必要となる費用」を抑えることができます。
次の計算表をもとに、大まかな概算予算を立てることができます。
【大まかな手順】
①スマートフォンを入手する(中古スマホ)
②コンビニWi-Fiなどを活用してインターネット環境を確保
※メールアドレスを持っていない場合は、一時利用期間の間に作成する。
③プリペイドSIMカードを受け取る環境を確保する(便利屋を活用する)
④SMS受信対応プリペイドSIMカードを入手する
⑤入手したSIMカードをスマートフォンに挿入し、設定する・SMS受信チェックを行う
⑥Vプリカ(バーチャルVisaデビットカード)アカウントの開設・チャージを行う
⑦ブラステル(IP電話)アカウントの作成・チャージと発着信チェック行う
【①スマートフォンを入手する】
SIMロックが解除されたスマートフォンを持っていない場合や、スマートフォン本体料金(分割払い)の未払いが生じている場合は、スマートフォンを入手しましょう。
中古のスマートフォンであれば、「家電量販店の中古コーナー」・「リサイクルショップ」・「中古携帯電話機取扱事業者」で入手するとことができます。
身近なところでは、GEO(ゲオ)やBOOKOFF(ブックオフ)などでも購入することができます。
緊急で必要な場合の選択肢として頭に入れておきましょう。
型落ちのスマートフォンであれば1万円程度で入手することができます。
購入の際はSIMロックが解除されたAndroidスマートフォンを購入してください。
(ポイント)
・既存のスマートフォンが活用できないケース
分割払い途中で未払いが継続している場合、特定の通信事業者で利用できなくなる可能性が非常に高いため、スマートフォンを新たに入手することを強く推奨します。
特定の通信事業者で利用できなくなる理由については、次の記事を参考にしてください。
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また、携帯電話料金の未納がある場合は、プリペイド(先払い)の契約しか契約することができなくなります。
・スマートフォンの選び方
2021年1月時点では、Android8.0以上に対応するスマートフォンを入手することができれば、動作が遅いなどの性能上の問題を除き、1年以上は利用することができます。
※今回紹介する方法ではAndroidスマートフォン使う方法のみを解説しています。
iPhoneではこれから解説する手順の一部・全部に制限がある場合があります。
【②コンビニWi-Fiなどを活用してインターネット環境を確保】
スマートフォンを入手しましたら、コンビニWi-FiやフリーWi-Fiなどに接続して、インターネット環境を確保してください。
★コンビニWi-Fiについて、詳しくは次の記事を参考にしてください。
※メールアドレスを持っていない場合は、一時利用期間の間に作成する。
コンビニWi-Fiを利用するためにはフリーメールでも構いませんので、メールアドレスの登録が必要です。
なお、メールアドレスを持っていない場合は、適当なメールアドレスを入力しても一時的にインターネットを利用することができます。
一時的にインターネットが利用できる間に、フリーメールサービス(おすすめはGmail・Outlook.com)に登録の上、メールアドレスを作成しましょう。
※コンビニWi-Fiに次回接続する際に、正式な登録作業を行いましょう。
【③プリペイドSIMカードを受け取る環境を確保する】
ここまでの手順を行ったことにより、無事インターネットに接続できる環境と送受信のできるメールアドレスが整ったかと思います。
次はプリペイドSIMカードを受け取る環境を確保します。
■居住地があり、郵便物を受け取れる環境がある場合
居住地があり、そこで自分自身の名義にて郵便物を受け取ることができる場合は、居住地の住所を使います。
■郵便物を受け取れる環境がない、居住地がない場合は便利屋を活用する
何らかの理由があり、居住地で自分自身の名義にて郵便物を受け取ることのできない場合や、そもそも居住地がない場合は「便利屋」を活用する方法があります。
便利屋を活用する方法は次の通りです。
手順1:地域の便利屋を探す
ヤフオク・メルカリやAmazon商品の受け取り代行ができる便利屋を探します。
まずは自分の行動できる範囲で営業している便利屋を探しましょう。
便利屋を探すのに大いに役に立つのは次のサイトです。
便利屋.com(べんりやドットコム) https://benriyasan-navi.com/kurashi/benriyasan
(便利屋探しのポイント)
個人で営んでいる便利屋のほうが法人事業者と比べて、柔軟に対応してくれます。
複数の便利屋をピックアップしておくことをお勧めします。
手順2:便利屋へ電話またはメールにて連絡を取る(対応可否・見積もり・比較)
便利屋には「ヤフオクやAmazonで購入した商品の受け取り代行はできますか?」と質問しましょう。
「受け取り代行」が可能である場合は、更に次の質問をします。
(質問する内容)
・便利屋の店舗や指定する場所まで伺うので、直接受取可能かどうか?
・1件あたりの代行受け取り費用
・その他にかかる費用
・実際に依頼するまでの流れ
上記の内容を質問し、自分が納得できる事業者を使うようにしましょう。
ちなみに1件あたりの代行受け取り費用は1000円以内であれば適正価格だと思います。
(ポイント)
便利屋に連絡する際は、公衆電話や非通知からでも問題ありません。
便利屋という特性上、いろいろな方からの相談を受けることによるからです。
【④プリペイド型SMS受信対応データ通信用SIMカードを入手する】
★「プリペイド型SMS受信対応プリペイドデータ通信用SIMカードを入手する方法」については、詳しくは次の記事を参考にしてください。
※受取先を便利屋にする場合の流れ
受取先を便利屋にする場合は、次の手順を行います。
手順1:便利屋の選定
前項の「※郵便物を受け取れる環境がない、居住地がない場合は便利屋を活用する」を参考にして、自分が利用する便利屋を選定します。
手順2:便利屋に商品受け取り代行依頼をする
便利屋に商品受け取り代行を依頼したい旨を連絡してください。(電話またはメール)
手順3:便利屋に確認が必要な事項について問い合わせる
次の事項を確認します。
・費用
・受取可能日時
・受け取り場所
・受取時に必要なもの
※受取時に本人確認資料が必要ないことを把握する
→あえて聞くと不審がられる可能性がありますので、注意して確認します。
・発送先の情報
(郵便番号・住所・電話番号・宛名の表記)
手順4:便利屋に正式依頼
「手順3」で確認した内容で双方が同意した場合は、商品受け取り代行を正式に依頼する旨を伝えます。
また、商品がいつ頃届くかの目安を伝えておきます。
手順5:商品(SMS受信対応プリペイドデータ通信用SIMカード)の注文を行う
依頼完了後に「プリペイド型SMS受信対応プリペイドデータ通信用SIMカードを入手する方法」を参考に、注文を行います。
その際のお届け先は「手順3」で確認した「発送先の情報」を指定します。
なお、商品代金の支払はクレジットカードや銀行口座がない場合、「コンビニ払い」を指定します。
手順6:商品の追跡
「手順5」にて取引を継続し、商品が発送されたら追跡番号をもとに発送状況を随時追跡します。
手順7:商品の受け取り
商品が「便利屋」に届いたことを確認しましたら、便利屋へ連絡を取り、注文した商品を受け取ります。
順調に事が進んだ場合は、「手順1」〜「手順7」の行程が3〜5日程度で完了します。
【⑤入手したSIMカードをスマートフォンに挿入し、設定する・SMS受信チェック】
無事、SIMカードを入手しましたら、スマートフォンに挿入し、利用設定を行います。
利用設定はSIMカードの販売元から提供されたAPN(アクセスポイントネーム)などを設定して、アンテナが立つことやデータ通信ができることを確認します。
また、SMSが受信できることを確認するために、試しにLINEなどをインストールし、利用開始設定を行ってみましょう。
(途中のSMS認証にて認証番号が受信されることを確認しましょう。)
【⑥Vプリカ(バーチャルVisaデビットカード)アカウントの開設・チャージ】
前項までの手順が完了しましたら、Vプリカのアカウントを作成します。
Vプリカとは「Visaデビットカード」のひとつであり、実際にカードが発行されないバーチャルカードのサービスとして提供されています。
コンビニエンスストアなどでプリペイド番号を購入し、アプリ経由でチャージを行い利用します。
VプリカはIP電話サービスの通話料金入金のために利用します。
また、Vプリカアカウントを開設することができたことにより、通販やサービス提供を受けるための支払いにVプリカのカード番号を利用することができるようになるため、非常に便利になると思います。
★「Vプリカのアカウント作成・チャージ」については、詳しくは次の記事を参考にしてください。
なお、アカウントの作成にはSMS受信に対応した携帯電話番号が必要となります。
そのために「プリペイド型SMS受信対応プリペイドデータ通信用SIMカードを必要としました。
【⑦ブラステル(IP電話)アカウントの作成・チャージと発着信チェック】
項までの手順が完了しましたら、ブラステル(IP電話)アカウントの作成とチャージを行います。
ブラステルアカウントの作成ができることで、050から発着信できる電話番号を入手することができます。
★「ブラステル(IP電話)アカウントの作成・チャージと発着信チェック」については、詳しくは次の記事を参考にしてください。
なお、アカウントの作成にはSMS受信に対応した携帯電話番号が必要となります。
そのために「プリペイド型SMS受信対応プリペイドデータ通信用SIMカード」を必要としました。
また、通話料のチャージにはクレジットカード・デビットカードまたは、ブラステルスマートピットカードが必要となります。
チャージを円滑に行うために、「Vプリカのアカウント作成・チャージ」を行いました。
ここまでの行程を行うことで、強制解約・未払い・未成年の方が、住所不定であっても、外で使えるインターネット環境・IP電話番号(050)を揃えることができました。
ここまでの手順を行うことで、
・スマートフォン
・モバイルデータ通信が可能な環境
・SMSの受信が可能な090,080,070のいずれかから始まる電話番号
・050から始まる発着信可能な電話番号
を揃えることができるでしょう。
【おわりに】
万が一、自身が生活上の窮地に陥った際は、「住所不定でも電話番号をもつ方法があったな?」と思い出してもらえればと思います。
もし、この記事を読まれているあなたが困窮状態におかれているのであれば、まずは現在地の市町村区の社会福祉協議会などに相談することを強くお勧めします。
この記事がなにかの一助となることを願います。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。