【概要】
VoLTE(ボルテ)とはLTE・4Gで利用することのできる音声通話やビデオ電話に用いる通信規格です。
【特徴と仕様】
従来の3G回線やVoLTE非対応下と比べ、VoLTEによる音声通話は、「呼び出し時間の短縮」・「高音質通話」や「高画質なビデオ電話」が実現されています。
また、音声通話中も高速データ通信を行うことができます。
■回線の利用効率の上昇
従来の携帯電話における音声通話は回線交換方式を用いており、発信側・着信側を1組(1接続)として、回線上の一定の帯域幅を専有して通話が成立しています。
回線交換方式では帯域幅に限りがあることにより、同時に通話できる数にも上限が設けられます。
1接続あたりの帯域幅を狭めることにより、多数の接続ができるようにしていました。
しかし、帯域幅を狭めるということは、音質は実用的な範囲の中で抑えられることになります。
しかしながら、高速通信が利用できる規格であるLTE・4Gでは音声データをデジタルデータに変換することで、他のデータ通信と同じ方式である「パケット」としてやり取りができるようになりました。
そのため従来の回線交換方式では回線上の帯域を専有しますが、パケットとしてやり取りできるようにすることで、他のVoLTE通話と混在して回線にデータが流れるため、1接続で帯域を専有することはなく回線の利用効率があがるというメリットがあります。
また、通常のデータ通信と異なる点として、VoLTEによる音声通話の「パケット」は他のデータ通信とは分けられた帯域で通信しており、優先的に交信できるようになっているため、遅延をできる限り小さくするように設計されています。
■新しいコーデック(圧縮・復号技術)の利用による音質向上
VoLTEでは新しいコーデックとしてAMR-WBやEVSという規格を用いて音声データをデジタルデータに変換しています。
この新しいコーデックでは伝送できる音声周波数帯域が広いため、以前よりも高い音を伝送することができます。
さらに、こもった音声になりにくいことから、クリアな音声のやりとりを実現できるようになりました。